細胞貝とは、細胞が真珠層を構成する「DNA」で、細胞の元となる機能に特化した貝のこと

「遺伝子細胞」　1切れ ※食紅で色をつけ見えやすくします　　　

「核」1個  ※真珠層構造を持つ淡水産二枚貝（通称ドブ貝）真珠の形成や加工に最適なため使用。貝殻の厚い部分を切って丸く削ったものを使います。

挿核手術の前準備として母貝に『麻酔』を施します。

これは、手術中に伴う痛みをなくし、出血を軽減します。

筋肉を弛緩することにより手術がスムーズに進み、貝への負担が少なくなり

よって回復が早くなり貝の状態を安定させるため有意的に行います。

『遺伝子細胞』＋『核』＝『真珠の命』を宿らすことができるのです。細胞となるアコヤ貝の外套膜組織は、

炭酸カルシウムを分泌し炭酸カルシウムの結晶層とタンパク質の層が繰り返し積み重なり真珠層を生成、形成する性質があります。

この原理を応用しこの組織を細かく真四角に切った『遺伝子細胞』と真珠の元となる『核』を付着帯同、貝の体内に移植手術していきます。

海や自然界の神秘的な潜在能力を活かすことにより、やがて宝石である待望の『真珠』が誕生します。

(挿核手術から8ヶ月～20ヶ月後　母貝から真珠をとりだします）

レントゲン検査の様子

挿核手術は貝肉の曲面に対し同じ距離を保ちながら均一に

薄くメスを通すことが重要です。

不均一に施した場合、薄い箇所より裂けて破れてしまい出てしまう、

ほんのわずかでも臓器の近くを傷つけてしまうと

損傷、出血、障害が起こり衰弱しやがて死んでしまいます。

また、真珠の元を身ごもる母貝は防御反応として術後自ら核を

吐き出すことも多々あります。

吐き出した核は真珠を取り出す最後の最後まで真珠にならない

核そのままの状態なので実に効率の悪い業務を費やしてしまいます。

これも近年、レントゲンによりで貝の体内を画像化して確認できるため

核の位置をシームレスに見ることができ失敗の早期発見が可能になり利便性が高く、

業務効率化、生産性を遂行できています。

本題から外れてしまうのですが、このように、挿核手術は卓越した技術力が

求められます。手術職人としてとてもやりがいはあります。

自分の能力を活かせたり、技術力の成長を実感できたり、もの作り、美しい宝石の作り手としての

達成感を感じることができます。

自分の手術貝が1－2年長い月日を経て、いよいよ真珠誕生の取り出す瞬間は、

尊い命に感極まり心に深く響く喜びを感じます。

挿核技術者、または自然にかこまれた環境で貝を育て宝石をつくることに

ご興味があられる方を募集しています。

稚貝からおよそ2年後母貝へと大きく成長しました。

能力や機能をもち、高いパフォーマンスを発揮するよう

誕生した貝です。

貝の育成作業で良好に保つためのメンテナンスの様子。　

これより優秀な貝を更に厳選していきます。

成長を妨げる付着物をひとつひとつ

手作業で取り除いています。

貝掃除

沖の真珠いかだへ向かうスタッフたち。

この真珠いかだに真珠貝を吊るし養殖する手法です。

海中環境が最適な位置にいかだを配置しています

真珠いかだに貝を入れたカゴを吊るしている様子

持って生まれたDNAの特徴を最大限に活かしながら

ストレスを与えぬよう大事に育てています。

酷暑、酷寒、降雪、豪雨、暴風、どんな時でも基本、

貝と対話しながら日々楽しくがんばっています

三代目の後ろ姿。